「仕事を任せる上司」が部下の不評を買ってしまう時の原因
組織の中で上司が部下に対して行う「権限移譲」はとても大切。
ただし、ここで大切なことがあります。
それは委譲の仕方。
相手の感じ方は、能力を無視した権限移譲は、上司が「丁寧に教えている」つもりでも「過剰な干渉」や、「やり方の押し付け」といった印象を持たれてしまいます。
いっぽう権限を委譲したのだから「余計な口は出さない」と思っていた上司も、部下からしてみれば「放置されている」「仕事の押し付け」と受けられることもあるます。
相手は放置されていると思っていたり、指導しているつもりなのに相手は過干渉だと思っていたら、それはチームの空気を作る上ではマイナス要素でしかありません。部下に仕事を任せているのに嫌われるのはこのためです。
では上手な権限移譲の仕方とは…。
指示は明確に!相手のタイプを考慮して!
「自分も決定に関与した」と思うプロセスがあって、初めて「任された」ということを実感することが可能。
ここが最も大切なこと。
過干渉もよくないけど、「放置されている」と感じ取られていたらそれこそ本末転倒。
いくら上司という立場であっても一人で勝手に意思決定しないで、
「このチームはこういうやり方をする」
「自分はこんな考え方で接する」
「ここまでは指示するが、ここから先は任せる」
はっきりと部下に明言してお互いの捉え方に差異がないようにしておかなければいけません。
判断基準の共有
最終的な決定までも移譲するのが権限移譲です。そのなかで最も大切なのが社内組織としての判断基準の共有です。
このことが日頃から明確に行われていれば、権限を移された部下が独自に判断を下さないといけねい状況でブレがなくなります。
また金太郎飴のごとく、どこを切っても同じ顔がでてくるくらいに末端まで判断基準の共有ができている場合、
可能な限り多くのことが末端に権限委譲されていた方が、早い判断が可能になり組織の効率化が図られます。
実現までの距離感
本人の能力に対しての頑張れば手が届く、しかし背伸びをしなければ達成できないレベルの仕事を継続して経験すれば本人の成長速度も速まり、組織として生み出す成果も高度になっていきます。
上司が慎重になり過ぎるのも禁物
当然、権限委譲してもよいと思える人物とそうでない人物がいますが、どんな会社でも決してそこに明確な線引きがあるわけではありません。
任せすぎて失敗したということよりも、任せることに慎重になりすぎて、
その結果として成長が遅れ、いつまで経っても指示待ちで部下自身が自立できなくなってしまったという残念な部所も多くあります。