シニア層が痩せ細るのは加齢や病気が原因じゃない!
中年期までは比較的脂肪分が多く身体に蓄積していたとしても、年齢を重ね高齢者になると脂肪分が減少し、中には痩せ細って見える方も少なくありません。
病気に見舞われた場合の他に、高齢者になるとたとえ健康状態を維持していたとしても脂肪分が自然に減少し、痩せるという状態は通常の様子であると捉えている方は多いですが、シニア層の身体が痩せるのは加齢や病気が原因ではありません。
そこで、シニア層が痩せ細ってしまう原因として挙げられるのが、生命を維持していく上で欠かす事ができない食事において、毎回十分な栄養素が摂取できない様子が慢性的に継続する低栄養状態です。
低栄養は食事の量が減少する事により身体を動かしたり、生命を維持するために要するカロリーやタンパク質、ビタミンやミネラルなどが不足している様子です。
発症する理由には個人差がありますが、患者において多いのが胃腸の消化器系の働きが弱くなったり、食べ物を噛む力が低下しまう事が多く他にも薄い味付けを好みやすくなる事で、以前とそう大きく変わらない食生活を送っていても摂取カロリーが減ってしまったり、食事をする事自体に楽しみや興味が見出だせなくなる事も関係しています。
こうした低栄養状態になると目に見えて明瞭になるのが体重が減る様子であり、人体は食事によって体内に摂り入れられる栄養が減少した状態が継続すると、これまでに蓄積してきた脂肪分を分解してエネルギーとして用いる仕組みである上に、脂肪分で補う事ができなくなると筋肉を分解してエネルギーに用います。
このように脂肪分と共に筋肉に至るまでエネルギーとして使用されて体内から物理的に減ってしまうため、高齢者になると痩せ細った身体になります。
しかも、身体から脂肪と筋肉が減少すると皮膚と骨との間でクッション材としての役割を有していた組織が無くなる事になるため、横になっている時や着座している時に自らの骨で皮膚に圧を加えてしまい皮膚に炎症が発症する機会が増えます。
骨によって圧が加えられていた皮膚は、当初は痺れや赤みなどの軽度な変調のみが見られていても重症化すると床ずれになり、強い痛みに見舞われたり一部的に皮膚が壊死してしまいます。
そして筋肉が減るという事は、身体をしっかりと支えて直立したり歩行する事がままならなくなり転倒しやすくなりますし、転倒した際には咄嗟に手を出す事ができなかったり、手を出す事ができたとしても骨のみで支える様子になるので骨折する可能性も高まります。
そのように身体が動かしにくくなったり骨折の可能性が高まると身体を動かす機会が減少するので、免疫力が低下し風邪をひきやすくなり風邪が引き金となって重病の発病に繋がる心配もあります。
同じく免疫力が低下する要因には、シニアになるとビタミンCが潤沢に含まれているフルーツを口にする機会が減ってしまう事も関係していて、フルーツには糖分も潤沢に含有されているので口にする機会が減少すると、やはりシニアならではの痩せた外見に繋がります。
こうしたシニア層の体重の変化は当事者が自ら気がつく事が難しいという特性があるため、高齢者が居る家族は家族がしっかりと体調や外見、食生活に目を向けてあげるようにしましょう。
脂肪と筋肉を増やすためには口から栄養豊富な食材を摂取する事が欠かせないので、料理に用いる食材はできるだけタンパク質やビタミンなどの栄養が高い物を選ぶようにします。
高齢者になり一度の食事量が減少していたり、食材によって咀嚼する事が体力的に気になるのなら魚や肉、穀物や野菜などを細かく刻み料理に用いると結果的に多くの栄養素が摂取可能です。
さらに栄養がしっかりと体内に摂取できる食事をしつつ、1日の中で身体を動かす運動習慣を持つようにして体力づくりに励めば、筋肉が肥大化し免疫力が高められます。