仕事ができる人ほど上手に使う素敵な後回し

子供の頃「後回しにしないで早くしなさい、先にしてしまいなさい」と言う言葉を、多くの人が親や先生から言われた経験があるものです。そして言われるがままに目の前の片づけ物や宿題をコツコツとしていました。

しかしビジネスの現場では必ずしもそうとは限りません。頼まれた仕事を頼まれた順にただひたすらこなしていたら、期限に間に合わなかったなどという問題が出て来ます。ビジネスの場合、仕事が間に合わないというのは会社の信用問題に関わる、絶対に避けたい大変な事態です。

このようなトラブルを避けるためには、目の前の山積みの仕事の中から、何を優先し何を後回しにするべきかを短い時間で判断する能力が求められます。仕事ができる人は、この素敵な後回し術を身につけているのです。

実際にどうしたらこのような事が出来るようになるかと言いますと、まずそれぞれの仕事の優先順位を決めるのです。「何月何日の何時までに」と依頼のあるものは、その日付が目安となります。次にそれぞれの仕事にかかる必要な時間を把握します。例えば1時間で出来る仕事と3日かかる仕事があったとします。気持ちは少しでも仕事を減らしたいので、1時間で出来る仕事を先に片付けてしまいたいところですが、締め切りはどちらが先なのかが重要なところです。3日もかかる仕事の締め切りが3日後で、1時間で出来る仕事が4日後なら、先にしなければいけないのは間違いなく3日の仕事の方です。何もかもが順調に進まない場合もありますし、急な内容変更など、ある程度のトラブルにも対応出来るように余裕を持って先にしてしまいます。それが片付いたら、1時間の仕事に取り掛かります。

「あの人は仕事できる」と思われる人は、このようにスケジュール管理と優先順位を決めるのが上手なものです。これを頭の中で瞬時に出来るのが理想ですが、苦手に感じる方は全てを書き出して見ることをお勧めします。カレンダースタイルのスケジュール帳の上に棒グラフを書き込んでいきます。必要な情報は一つ一つの仕事の締め切りと仕事を完成させるのにかかる時間です。色分けすると更に分かりやすくなります。このようにして全ての仕事を視覚化することで、何が最優先なのかが一目瞭然となります。また全てを並べて見ることで同時進行出来そうな仕事や、同じような資料を使いまわして出来る仕事なども見えてきます。この会社の打ち合わせの帰りに、この会社に寄って資料を渡してくるとか、この書類の返事を待っている間にこちらの打ち合わせを先に進めておけるなど、自分がどう動けば効率が良いかも見えてくるので更に仕事のスピードが上がります。

締め切り日が同じでも、絶対に遅れることの出来ない仕事や、少し余裕のある仕事がある場合もありますのでしっかりと確認して優先順位を決めることが必要です。社内では「これを早くして、先にやって」と曖昧な表現で頼まれる場合もありますが、自身で判断しにくい場合はどのくらいの急ぎなのかを確認します。改めて聞いてみると、さほど急ぎでなかったりもします。

作業デスクの上の整理も重要です。何もかもをひとつにして積み上げていると、何が大切か分からなくなってしまいます。整理整頓はスマートな仕事をする上での大切な作業の一つです。これは後回しにしないで毎日必ず行い、ご自分の作業の進捗状況を確認すると同時に、必要な資料は取りやすいところへ置き、要らなくなった資料は片付けるなど、不要な物を目の前から無くすことでより作業をスムーズに進めることが出来ます。不要になった物をいつまでも置いておくと大切な資料を見えなくしたり、探すのに手間取ったりと作業の妨げとなります。